七夕、織姫と彦星の間を流れる天の川…
天の川は見たいけど、毎年曇りの日が多い。
…実は、七夕は7月7日じゃなかった!?
旧暦の七夕と、天の川がよく見える時期について。
天の川は見つけ方が分かっていれば、いつでも見れる?
天の川は条件がよければ、いつでも見えます!
しかし、よく見えるのは、「夏」です。
そういった意味では、七夕に天の川を鑑賞するというのは理にかなっています。
●七夕は7月7日じゃない!?伝統的七夕とは
もともと、七夕は旧暦7月7日の行事でした。
それは、季節的を表す二十四節気でいくとちょうど処暑の頃にあたります。
[su_quote cite="伝統的七夕とは" url="http://www.nao.ac.jp/faq/a0310.html"]二十四節気の処暑(しょしょ=太陽黄経が150度になる瞬間)を含む日かそれよりも前で、処暑に最も近い朔(さく=新月)の瞬間を含む日から数えて7日目が「伝統的七夕」の日です。[/su_quote]
明治6年(1873年)に新暦が採用されたとき、
旧暦7月7日→新暦7月7日
となったため、本来の時期よりも一か月近く早くなることに。
そのため、梅雨まっただ中になってしまい、雨の日の七夕が多いのですね
ですので、七夕は旧暦の伝統的七夕で楽しむのがベストといえるでしょう。
こちらのほうが見やすい位置にありますし、梅雨も明けており晴天率も高いです。
国立天文台では旧暦7月7日にあたる日を「伝統的七夕」の日としていて、
この日には明かりを消して星空を眺めようというライトダウンのキャンペーンが行なわれています。
伝統的七夕の日付一覧
[su_quote cite="伝統的七夕の日付一覧" url="http://www.nao.ac.jp/faq/a0310.html"]
2017年 8月28日
2018年 8月17日
2019年 8月7日
2020年 8月25日
2021年 8月14日
2022年 8月4日
2023年 8月22日
2024年 8月10日
2025年 8月29日
2026年 8月19日
2027年 8月8日
2028年 8月26日
2029年 8月16日
2030年 8月5日 [/su_quote]
●夏が見やすい理由
天の川は、「夏の大三角形」と「冬の大三角形」を横切っているため、見頃は真夏と真冬です。
地球の夜側が銀河中心を向くと、綺麗な天の川が観察できます。
『銀河中心-地球-太陽』の配置になった時、北半球では夏の夜にあたります。
逆に冬の夜だと『銀河中心-太陽-地球』と、地球の夜側が銀河外側を向くため観察できる星々も閑散してしまいます。
天候的には、冬の方が恵まれていますが…冬の天の川は夏に比べて派手さに欠けることになります。
天の川を探す目印は天の川と関連している星座や近くの星座を覚えること。
夏はさそり座の近く、射手座(南斗六星。北十字のはくちょう座。
●天の川の見つけ方
最も明るく濃く見えるのは、さそり座からいて座のあたり。
これは夏の間、南天の低い位置に来ます。
さそり座といて座が真南の低いところに位置する時刻は
6月上旬だと午前1時頃、7月上旬だと午後11時頃、8月上旬だと午後9時頃。
*さそり座:真っ赤な一等星アンタレスと釣り針のような星の連なり
*いて座:南斗六星という北斗七星に似たひしゃく型
天の川は南から真上を通って東の方に伸びやかに続き、ちょうど天頂から東のあたりに織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)が天の川を挟んで見えます。
そして天の川の真ん中には、はくちょう座が見えます。(夏の大三角形)
白い雲のようにもやっと見えるため、場所を分かっていないと雲と間違ってしまうかもしれませんね。
南の端で広く明るく見えるところが銀河の中心方向です。
●よく見えるポイント
・光害がないところを選ぶ
光害の無い場所で見なければ天の川を肉眼ではっきり見ることは難しいです。
水蒸気の少ない、透明度の高い夜を選んで観察しましょう。
※なんといっても、月がないこと!
・7月8月は夜10時・9時頃に天の川の一部が天頂付近に来るので、条件さえ良ければ観望には適していると言えます。
星座早見盤をお持ちの方は、それを使ってご自身の条件に合った時間帯を見つけみて下さい。
・目をならす
目が暗闇に慣れないと、なかなか星は見えません。暗闇の中で10分くらいは、目を慣らしましょう。
・南側に遮蔽物(山)がなく、南に空が大きく広がっているところであること。
特に南から東にかけては暗闇が広がっているのが望ましいでしょう。
●天候について
雨のあとが必ずダメというわけではありません。
大事なのは、上空の空気がどんな性質か、ということなので、空を見てきれいな星がシャープにたくさん見えたら、その日は天の川をみるのに良い日です。
都市部で天の川が見られない大きな原因は、大気汚染というより地上の光の照り返し(光害)によるものなので、街灯の少ない郊外まで足を伸ばせば、どこでも天の川を見ることはできます。
地図を開いて、市街地から数km以上離れた農地や山地なら、関東近郊でも問題ありません。
※まずは月が出ていない日時であること!
●関東近郊のスポット
月がなく、天の川の場所が分かっていれば結構見られるそうですので、箱根などの山や高原でも見られると思います
・九十九里浜の南端、一宮町の東浪見(とらみ)海岸。
首都圏の天文ファンには割とよく知られた天体観測の名スポットらしいです。
・館山市、洲崎より南の伊戸・平砂浦付近。
南の空を見るにはベストなロケーションかもしれませんね。
・房総半島南端、南房総市の旧白浜町の海岸。
ただし野島崎の灯台があるので、西根本集落付近がよいとのこと。
場所については、実際に行く前に、詳しく調べてみてくださいね(^^)
天の川が見られる時期と見つけ方についてまとめました。
いつも天の川が見られないのは、そういうわけ(伝統的七夕)だったのですね…。
今年は伝統的七夕の日に天の川観察なんてよさそうですね!
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