春の七草は有名ですが、秋の七草もあるのをご存知でしょうか?
これは春と違って食べる習慣がないので、ご存じの方は少ないかもしれません。
日本の秋を彩る七草。
そして意外!?夏、冬にも七草があった!?
■秋の七草の由来
春の七草は平安初期お粥として食べたのば始まりですが、
さて秋の七草はと言いますと、万葉集」で山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ以下の2首に詠まれています。
秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花
萩の花尾花葛花瞿麦の花女郎花また藤袴朝貌の花
「秋の野の花を詠む2首」と呼ばれています。
春の七草が正月七日の「七草がゆ」食用にされるのに対し、秋の七草は観賞用で、特定の行事に使われるものではありません。
ただ、秋の七草に挙げられる植物の中には、薬草として用いられてきたものが6種あります。
[su_quote cite="秋の七草、薬草としての働き" url="https://blogs.yahoo.co.jp/manabiya_2009/18197908.html"]
萩・・・生薬名はなし、インドールアルカロイドを含み、薬効は婦人病薬(民間薬)
薄・・・生薬名は芒草(ススキ)、フラボン類を含み、薬効は利尿
桔梗・・・生薬名はキキョウ、トリテルペノイドサポニンを含み、薬効は去痰、消炎
撫子・・・生薬名は瞿麦(クバク)、瞿麦子(クバクシ)、トリテルペノイドサポニン他を含み、薬効は利尿
葛・・・生薬名は葛根(カッコン)局方収載、イソフラボノイド他を含み、薬効は発汗、解熱
藤袴・・・生薬名は蘭草(ランソウ)、クマリン類を含み、薬効は利尿、通経
女郎花・・・生薬名は黄花敗醤(キバナハイショウ)、オレアノール酸他を含み、薬効は消炎、排膿[/su_quote]
しかも秋の七草と言っても、それぞれ育成に適した場所や開花時期も少しずつずれており、自然の中でこの7種の植物をまとめて楽しむのはなかなか難しいことのようです。
■どこでみる?
キキョウや萩ならば人家でも比較的見つけられるでしょう。オミナエシ、フジバカマ、ナデシコなども、お花屋さんに足を運べば見られるものが多いですし、植物園やお寺に行けば、七草に出会える確率は高いです。川の土手を覗いてみれば、葛が伸びているのが見られるでしょう。フェンスにからみついたりもしています。葛、ススキ、萩であれば山で自生したものがみられるかもしれませんが、そのほかの花の自生を見つけるのは難しいと思いれます。特にフジバカマとキキョウは、絶滅危惧種に指定されています。
実際のものはこちら
■シン・秋の七草!?
1935年、東京日日新聞が当時の著名人7人から一種類ずつ推薦してもらい「新・秋の七草」が作られたそうです。
葉鶏頭(長谷川時雨)
コスモス(菊池寛)
彼岸花(斉藤茂吉)
赤まんま(高浜虚子)
菊(牧野富太郎)
おしろい花(与謝野晶子)
秋海棠(永井荷風)
葉鶏頭とはアマランサス、アカノマンマとはイヌタデのこと。
春の七草の覚え方は有名だと思います。
「セリ・ナズナ、ゴギョウ・ハコベラ、ホトケノザ、スズナスズジロ、春の七草」
秋の七草も、同じように五・七・五・七・七のリズムで覚えましょう!
「ハギ・キキョウ、クズ・フジバカマ、オミナエシ、オバナ・ナデシコ、秋の七草」
また、頭文字をとって、「おすきなふくは(お好きな服は)」として覚えるやり方もあるようです。
オミナエシ
ススキ
キキョウ
ナデシコ
フジバカマ
クズ
ハギ
こんな感じですね!
実は、春と秋以外にも夏・冬の七草として過去に挙げられたものがあるそうなのでご紹介します。
■夏の七草
その1.昭和の初め頃に勧修寺経雄が詠んだ和歌より
「涼しさは よし い おもだか ひつじぐさ はちす かわほね さぎそうの花」
1.葦(ヨシ)
2.藺(イ)
3.沢瀉(オモダカ)
4.未草(ヒツジグサ)
5.蓮(ハチス)
6.河骨(コウホネ)
7.鷺草(サギソウ)
夏らしく風流な涼を呼ぶ水辺の植物が挙げられています。
その2.第二次世界大戦中、日本学術振興会学術部・野生植物活用研究小委員会が選定した夏の七草
1.アカザ
2.イノコズチ
3.ヒユ
4.スベリヒユ
5.シロツメクサ
6.ヒメジョオン
7.ツユクサ
やはり戦時中ということもあり、
風流なものではなく、焼跡にもたくましく生える食べられる植物があげられています。
■冬の七草
1.ネギ
2.ハクサイ
3.ダイコン
4.シュンギク
5.ホウレンソウ
6.キャベツ
7.コマツナ
これは地域によって違うそうです。全部おなじみの食べる野菜ですね(笑)
春夏秋冬の七草をご紹介しました。
今年は道草を食いながら(秋は観賞しながら)!?季節を満喫してはいかがでしょうか?
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