紅色の身が美味しい紅鮭。
サーモンピンクというくらい鮮やかなサーモンのお刺身も美味しいですよね。
しかし、鮭って白身魚だってご存知でしたか?赤く見えるのに、白身魚ってどういうこと?
魚の種類って、白身赤身と何がある?
サーモンは養殖が美味しいですが、天然とどう違うのでしょう?
1章 鮭が白身なのはなぜ?オレンジ色に見えるのは?
■アスタキサンチン
鮭の身が赤いのは、鮭が日常食べているエビやオキアミなどに含まれるアスタキサンチンのためです。
アスタキサンチンは、別名「海のカロテノイド」と呼ばれる赤い色素です。
カロテノイドにはニンジンに含まれるβカロテンやトマトのリコピン、トウモロコシなどに含まれる黄色のルティンなどいろいろありますが、数あるカロテノイドの中でも非常に強い抗酸化力を持っています。
抗酸化力とは、強いストレスによって発生する活性酸素を除去する力のことです。
鮭が川から海へ下って回遊し、また生まれた川を命をかけて遡るというのはご存知だと思います。
そのようなストレスのかかる厳しい環境下にあって、アスタキサンチンは疲労を回復する手伝いをしてくれるというわけです。
鮭のアスタキサンチンはイクラへと受け継がれ、卵を紫外線から守る働きもしてくれます。
ちなみにそのように強力な抗酸化作用を持つアスタキサンチン、さらには免疫力を高めたり、美肌・美白やアンチエイジングなどの効果も期待できるそうですので、効果的に摂取していきたいですね。
鮭のように食べているものが身体の色に影響している生き物はほかにもいます。
例えばアフリカのフラミンゴ。
あの紅色の羽根も食べてるものの色素で白い羽根が赤くなっているのです。
面白いですね。
2章 そもそも魚の種類は白身、赤身?青魚は?
■青魚は?
魚の種類は大きく分けで赤身と白身の2種類です。
では、青魚はどうなのでしょう?
実は、白身、赤身とは肉による性質の分類で、青魚は外見によるものなのです。
青魚の多くは、回遊性の魚だったりとかなり長距離を泳ぐ魚で、背中の青い回遊魚全般の事を指します。
鯵,鰯,ブリ,鰹,カンパチ,鯖,サワラ,シマアジ,マグロなど。
■白身と赤身の違い
この赤とか白というのは魚の筋肉の色なのです。
マグロのように長距離泳ぐ魚は赤く、鯛のように近海を泳ぐ魚は白いのです。
持久力のある筋肉の魚は赤身で、瞬発力のある筋肉の魚は白身ということですね。
含まれる成分の違いのため、そのような違いが生まれるようです。
・赤身
遠海まで泳ぐ魚は持久力重視のため、速度よりエネルギー効率を追求した筋肉になっています。そのため、運動に必要なグルコース(糖分)との反応に、酸素を多量に使います。
この酸素は、筋肉中のタンパク質の中の『ヘム』という鉄入り色素に結合してやってきます。この『ヘム』が赤いため、赤身になるのです。人間の血中のヘモグロビンもそうですね。酸素を取り込みのに時間がかかるため、この筋肉のことを『遅筋』と呼びます。
赤身の魚は回遊魚であるため白身に比べて多いことから脂ののりが良いのが特徴。
・白身
一方、近海を泳ぐ魚は捕食や、逆に追われるときに『瞬発力』を必要とします。
取り込みに時間のかかる酸素ではなく素早くグルコースを乳酸に変え、エネルギーにすることが要求されるのです。
そのため、赤身のようなヘムを含まず色が付かないので白い筋肉になります。この筋肉を『速筋』といいます。
この筋肉は機敏に動くことはできますが、早く疲れてしまいます。
白身の魚は、脂肪を付けないので、味は淡泊。
以上が白身赤身の違いです。
代表的な魚で言うとマグロのような泳ぎ続ける魚(回遊魚)は赤身。
ヒラメみたいにじっと底に身を潜めていて一瞬で素早く捕食するような魚は身が白い、ということですね。
青魚は,回遊魚ですから身は赤身です。
青魚と呼ばれるゆえんは、長距離を泳ぐ際に、海面付近で鳥などに見つからないよう海と同じ色の背中にしたためと言われています。
というわけで魚には大きく二種類、赤身(青魚)と白身に分類されるということです。
3章 魚の違い。天然と養殖
天然とは言わずもがな自然に泳いでいる魚ですが、養殖とはどういったものでしょう?
■養殖とは
”卵から稚魚⇒幼魚⇒成魚と魚の総ての成長過程を人工的に管理し、プールや水域を区切った区間で管理をし、市場に出荷します。また、餌にあたっても、通常の天然魚が小魚類を食べるのに対し、ペレットという固形の栄養物を与える場合もあります。限定された水域に大量の魚を生息させますので、感染病予防に、薬品を含有させる場合もあります。(引用:ttp://www.d2.dion.ne.jp/~choco_c/sub115.htm)”
とあります。
ただし最近では養殖技術は各段に進歩し飼料の方も安全で味わいも良いものが出来ているといわれています。
■どちらが安心、おいしい?
安心かどうかといえば、やはり天然に軍配があがる方が多いと思います。
良く泳ぎ回っていて筋肉も発達していますし、鯛なんか天然と養殖では全然違います。
しかし天然ゆえどこを泳ぎ何を食べたか不明であることを考えると、餌まで管理されていると思えば、養殖はある意味安心という考え方も。
ちなみに面白いことに、これは漁獲した船の船籍を原産国(産地)と表示しなければならないと法律で定められているというのです。
したがって、同じ漁場で日本の船とロシアの船が鮭を漁獲したとしても、日本産とロシア産になります。
さて味の方ですが、明らかに養殖の方が脂はのっています。
たらふく食べて食っちゃ寝生活をしているわけですからね^^;ウナギなんか一目瞭然ではないでしょうか。
ただし天然の方が先にも書きましたが締まっていて旨みや香りが良いと個人的には感じます。特にアユなんかは天然物を食べたら養殖は食べられないでしょう。
また当然の事ですが、天然物が美味しいのはやはり旬の時期ですので、時期外れでは不味かったり入手困難だったりします。
でもやはり、旬のものを旬の時期に味わうのが一番だと個人的には思いますね。
決めつけずにその日に綺麗な魚を買うのが間違いないです。
まとめ
サーモンが白身!?という疑問から、白身赤身、天然養殖まで、魚の違いをまとめました。
青魚は青いくせに赤身なんですね。
白身と赤身の分類が、簡単になったかと思います。
魚の違いを知って、うまく食生活に取り入れてみてください^^