汗ばむことが多くなってきましたね。
汗は体温調節のためにかくといわれていますが、べたべたして気持ちが悪いときと、さらっとしていてなんともない汗がありませんか?
どうちがうのでしょう?汗は何でできている?
そしてどうすればベタベタ汗をかかずに済む?
1章 汗の種類
汗を分泌する皮膚にある細い分泌孔を汗腺(かんせん)と言います。
汗腺は汗を作り、皮膚上に分泌して体温調節と、ちょっとした排泄作用を行っています。
汗腺には3つの種類があります。
■汗腺の種類
・エクリン汗腺、もしくは小汗腺
・アポクリン汗腺、もしくは大汗腺
・アポエクリン汗腺、もしくは第三汗腺
■エクリン汗腺
最も体表に多く分布している汗腺。
主な役割は体温調節としての発汗。自律神経が働きかけ、所定(ヒトは37度)の温度に調整するために汗を分泌します。
皮膚の水分の元となるのは血管を流れている血液。エクリン腺は、血管から血液の成分のみをろ過し、汗として対外に排出します。
■アポクリン汗腺
哺乳類の芳香腺(フェロモン)の退化したもので、体温調節のような役割はない汗腺。
アドレナリンがトリガーになると考えられており情緒的な刺激で発汗します。
エクリン汗腺より発汗量は多く、わきの下に多いようです。
エクリン汗腺の汗の成分のほか脂質とタンパク質が加わっているため臭気を帯びるようです。
これが体臭の原因となり、これが強すぎると「わきが」と呼ばれるものになります。
■アポエクリン汗腺
アポクリン汗腺と類似の分泌部を持ちますが、エクリン汗腺と同様に表皮に分布している汗腺。だから2つを合わせたような名前なんですね。
■発汗の種類
ちなみに、どんなときに汗をかくのでしょうか
・体温調節
汗の主な役割ですね。1gの汗の蒸発は0.58kcalの気化熱を消費し、体重70kgの人の体温を1度下げるそうです。ただし蒸発できずぽたぽたと滴り落ちた汗は、本来の役割を全うできなかった無駄な汗ということに…
・精神性
冷や汗のことですね。
・味覚性
辛い物や刺激物を食べたときにかくあの汗です。
・不感蒸泄
発汗しなくても皮膚上から蒸発することで行う発汗。これは汗腺からは行われないものです。
2章 汗の原料とべたべたとサラサラの違いは?
汗はどんなものでできているのでしょうか。
■汗の原料は
実は1章にちょっと書いてしまったのですが。
汗の原料は血液です。厳密には血液と組織液。
エクリン汗腺がそれらから身体に必要ない成分だけをろ過し、汗として排出しているのです。
汗の成分は、その大部分が水でできています。ほか、塩化ナトリウムが約0.6%とその他ごく微量の尿素や塩素、カルシウム、マグネシウム、乳酸などのミネラルで構成されています。だから汗はしょっぱいのですね。
■汗腺のチカラ
では、サラサラの汗とはどういうものなのでしょうか。
上でいうところの老廃物や分泌が少ないとき、サラサラの汗になります。
ここで大事になってくるのが汗腺のチカラ。
汗腺のうち、活性化している汗腺を能動汗腺と呼びます。
この数は2~3歳で決定してしまうため、この時期に汗をかかないと汗腺のチカラそのものが弱く、活動しなくなってしまいます。
汗腺のチカラが弱いと温度調節がへたくそになり、自律神経失調症になってしまうことがあります。
クーラーが普及している現代だからこその、能動汗腺の衰退と言えるでしょう。
このチカラが弱いと、汗をかけず、たまにしか汗をかかないと分泌が多くベタベタになってしまうというわけです。
3章 べたべた汗を改善するには?
これは体験談というか、皆さま実感としてわかると思いますが…
体育会系の方の汗ってサラサラの人が多いですよね?
つまりどういうことかと言いますと、
日頃からたくさん汗をかいて生活をしていると、汗に含まれる塩分やミネラルや老廃物が減って、汗が薄くなるんだそうです。
毎日20分くらいでもいいので、運動を続けていると、汗の質が変わるようですよ。
私も毎日それくらい走っていましたが、汗がベタベタしたことはありません。
(私の場合はそもそもそんなに汗はかかないのですが、汗腺のチカラ>老廃物量なのでしょう)
とはいえ、大量に汗をかくと汗腺のろ過力(塩分やミネラルの再回収など)が追い付かず、しょっぱい汗になることがあります。
そのためスポーツドリンクなどで身体に必要な電解質を補給する必要があるのですね。
まとめ
今年の夏は、毎日こまめに汗をかいて、すっきりさらさらに夏を過ごしましょう!