シャキシャキとした触感と香りがおいしい茗荷(みょうが)。
薬味として活躍する一方、食べ過ぎると馬鹿になるとか物忘れするとか物騒なうわさも…
一体その由来は?そして本当の栄養素と効果のほどは?
おいしい食べ方まで!
1章 ミョウガを食べすぎると物忘れするとか馬鹿になる由来は?
ミョウガを食べすぎると物忘れがひどくなるというのは、ある仏教の逸話から生まれたとされています。
■ミョウガ昔話
・・・昔、釈迦の弟子に周梨槃特(しゅうりはんどく)という仏道に優れた人物がいて、彼は悟りまで開いたのでした。しかし、どういうわけか物覚えは悪く、自分の名前すらももすぐ忘れてしまうのです。
そこで、不憫に思った釈迦が首から名札を下げるようにさせたのですが、そのことすらも忘れてしまって、とうとう死ぬまで自分の名前を覚えることはなかったといいます。
その人の死後、墓の周りから見慣れぬ草が生えてきました。生前、墓の主が自分の名前を荷物のように下げていたことから、その草は茗荷(みょうが)と名付けられました。
この話から、茗荷を食べると物忘れがひどくなるという俗説が生まれたのでした
■落語でも…
この言い伝えを使った落語も存在します。
「茗荷宿」
ある宿屋の主人が、大金を持ったお客さんが泊まりに来た時、みょうがをたくさん食べさせお金の入った財布を忘れていってもらおうと企みました。
しかしお客さんは翌朝、宿代を払うのを忘れて行ってしまったのでした。ちゃんちゃん
…というように、きちんとした根拠があるものではありません。
だから食べ過ぎたとしても、馬鹿になったり物忘れする心配はないでしょう。
2章 ミョウガのホントの栄養と効能は
では、ミョウガの本当の実力とはいかなるものなのでしょうか?
茗荷は日本固有のもので、西洋でもJapanese Gingerもしくはmyogaと呼ばれます。
夏の終わりから秋に旬を迎える野菜にふさわしく、夏場の暑さで疲れた身体をサポートする効果が期待できます。
■栄養
・90%以上は水分
・少量ながら、ビタミンB1、B2、C、カルシウム、カリウム
栄養素的にはあまりたいしたことはないようですが、注目すべきはその効能です。
■効能
・眠気覚まし、熱冷まし(解熱)、血液循環を良好にし消化促進
α-ピネン(アルファピネン)という香り成分(精油成分)が大脳皮質を刺激し眠気を覚ます作用があるほか、発汗を促して熱を冷まし、呼吸や血液の循環を良くする効果もあり、血液をサラサラにしてくれます。また消化も促進されます。
・食欲増進
独特の食感と風味で、薬味に使用することで食欲増進に。夏バテ防止になりますね。
・沈痛作用
辛味成分に口内炎やのどの痛みを抑える効果あり。また、α-ピネンには 発汗、呼吸、血液循環などの機能を促す作用があるので、腰痛、肩こり、リウマチ、神経痛にも効果あり。
★ミョウガのしぼり汁+同僚のお酒でうがい液、のどの痛みを緩和
★ミョウガの煎じ汁を入浴剤にすると痔の緩和に
3章 ミョウガのおいしいレシピ
最後にミョウガのおいしい食べ方をご紹介します。
●生食
薬味としてはもちろんのこと、
縦方向に刻んで削り節とあえて醤油でいただきます。
シーチキンと和えてもGood。たらこも美味だとか。
●天ぷら
丸ごと天ぷらに。
●お味噌汁
茄子とミョウガでお味噌汁
●ミョウガごはん
酢飯と刻んで塩もみしたミョウガでチラシ寿司。お好みでいりごまを。
●サバの水煮缶で…
大量の千切りにさばの水煮缶とかつおぶしを乗せてしょうゆをかけるだけ。
●ミョウガの豚肉まき
縦に4つ切りにしたミョウガを2個ずつ、塩コショウした豚薄切り肉で巻く。
小麦粉を振りかけて、フライパンで焼く。味は塩コショウでも、お好みで砂糖醤油ダレでも。
※おいしくても、食べ過ぎには注意しましょう!
みょうがは刺激の強い野菜のため、食べ過ぎると胃腸に負担がかかる可能性があります。
まとめ
いつも薬味として脇役になりがちな「みょうが」ですが、
夏の暑さに食が進まないときなど、主役にしてみてはいかがでしょうか?